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福井ひかり法律事務所の弁護士によるコラムです。

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スポーツの感動

2024年05月08日
去る2024年3月31日に開催された第1回ふくい桜マラソンに参加しました。これまで福井県ではフルマラソン大会が開催されたことはなく、全都道府県で唯一フルマラソン大会が開催されない都道府県であったとのことですが、ふくい桜マラソンの新設によって全都道府県でフルマラソン大会が開催されるようになりました。
私自身はこれまでフルマラソンを走った経験は一度しかなく、そもそも完走できるのかという不安がありましたが、前半はペースを上げない、エイド(補給)では立ち止まって必ず給水するといった先達からのアドバイスを受け、なんとか制限時間(今回は7時間)内に完走することができました。
さて、マラソンに限らず、いろいろなスポーツを自分でやってみると、アスリートと呼ばれる方々の記録がいかにすごいものであるか、己の肉体により痛感させられます。
例えば、マラソンについて言えば、現在の公認世界記録は、ケルヴィン・キプタム選手が2023年10月のシカゴマラソンで記録した2時間00分35秒です(なお、キプタム選手は、この記録を出した数か月後に交通事故により亡くなられました。心よりご冥福をお祈りします。)。この記録は、1km当たりのペースは2分51秒/kmであり、100m走に直すと17.14秒となります。多くの人々にとっての短距離の全力疾走に近い速度で、42.195kmを走り続けるわけですから、同じ人間とは思えない偉業です。私がこのペースで走った場合、100mすら走り切れるかも怪しいところです。
私たちがスポーツに感動するのは、私たちと同じ人間が、同じ人間とは思えないパフォーマンスをするのを目の当たりにするからだと思います。スポーツ界での道具や技術の進歩は驚くものがありますが、いかに道具や技術が進歩しようとも、生身の人間が行うというスポーツの根源的なところは、今後100年経っても変わることがないでしょう。特に、自分がやったことのあるスポーツについては、自分が絶対にできないような技をプロやアスリートがやっているのを見ると、感動が段違いです。既に体力的には人生の下り坂にさしかかっている私ですが、これからもやったことがないスポーツに挑戦していきたいと思います。