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福井ひかり法律事務所の弁護士によるコラムです。

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ナイジェリア妄想旅行

2023年09月13日
コロナ禍による海外への移動制限が緩和されつつある最近ですが、円安、インフレそして燃料高などにより、日本人にとって、海外旅行は、経済的には行きづらい時代が続いています。
コロナ禍より少し前の頃は、今よりも円高で、LCCがたくさん飛んでいて、国内旅行よりも海外旅行の方が安いという時代もありましたから、海外旅行好きの一人として寂しさを覚えるばかりです。
 
実際に海外旅行に行くのが難しいけれど、ずっと行けていなかった海外旅行に行きたいなと思い、「妄想旅行」をすることにしました。どういうものかというと、インターネットなどで現地の情報を集め、行っていない旅行先に行ったことにするという無料の遊びです。
最近はガイドブックだけでなく、インターネット上に旅行者や現地滞在者がアップロードした写真や動画が溢れています。また、Googleストリートビューを使えば、観光地でもない奥地でさえ、現地の実際の様子を写真で見ることができます。
そういったものをずっと眺めていると、正確性は別として、実際に旅行に行くよりも現地について詳しくなれたような気がします。
 
今回、私は、妄想旅行の行き先として、アフリカのナイジェリアを選びました。ナイジェリアを選んだのは、特に理由はなく、Googleマップで世界地図をぐるぐるしていてたまたま目に留まったというだけです。
 
ナイジェリアの人口は約2億1800万人で、アフリカの国々の人口ランキングでは、ぶっちぎりの1位です。
最大都市はラゴスで、都市圏人口約2400万人の巨大都市です。
ラゴスの語源はポルトガル語でラグーン(潟湖)であり、その名のとおり、大小さまざまなラグーンに面している港湾都市です。
 
今回、妄想旅行でラゴスの各地を訪れてみた(動画や写真を見た)ところ、ラゴスの面白さは街歩きにあると思いました。街はまさにカオスの一言で、お世辞にも頑丈そうとはいえない建物がひしめくごちゃごちゃとした街並み、舗装されていない道路、人口密度の高さ、そして世界最悪ともいわれる交通渋滞は、日本ではなかなか経験できないものだと思います。
実際に行くと危険な場所も多いのだと思いますが、妄想旅行では何の危険もありません。実際に行って写真や動画を残してくれた先人たちに感謝です。
 
そんなラゴスですが、何といっても人口増加率の高さが世界の大都市の中でも際立っており、2050年頃には、ラゴス都市圏の人口は、4000万人近くとなる予想とのことです。また、その頃には、国としてのナイジェリア自体も、インド、中国に次ぐ人口世界3位の人口大国となる見通しとのことです。
日本から見ると、ナイジェリアは、距離も遠く、あまりこれといったものが思いつく場所ではないかもしれませんが、この2,30年の間にさらに発展し、世界の中で存在感を増していくことは間違いありません。注目の国の一つです。
 
なお、ラゴスは、ナイジェリアの最大都市ではありますが、実は首都ではありません。ナイジェリアの首都は、1991年に、ラゴスからアブジャという内陸の街に移転しています。
今回、アブジャについても妄想旅行をしてみましたが、こちらは首都にするために計画的に作られた都市なので、道路は広く、街並みも整然としていました。綺麗ではあるのですが、カオスな街が好きな人にとっては、ラゴスの方が面白いだろうなという印象でした。