コラム

福井ひかり法律事務所の弁護士によるコラムです。

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明るさ,安心,希望

私は,福井弁護士会のほか,福井青年会議所という団体と福井フィロソフィ経営勉強会という団体に所属しています。
 
福井青年会議所は,「奉仕・修練・友情」の三信条の下,「明るい豊かな社会の実現」と「地域のリーダーの輩出」を目的として活動しており,合意形成のプロセス,計画を実行する能力,社会人としての礼儀など本当に多くのことを学ばせていただきました(40歳になった年の12月31日で卒業という制度があり,私もこの12月いっぱいで卒業します。)。
福井フィロソフィ経営研究会は,京セラやKDDIを創業し,日本航空を再建した稲盛和夫さんの生き方と考え方を学び,一人ひとりが,経営者としての心を高め,経営を伸ばし,従業員を幸福にし,社会に貢献することを目指して活動しています。「人として何が正しいか」「利他の心」という判断基準を与えていただき,大変成長させていただいています。
 
さて,私は,いたるところで「弁護士らしくない」「東大生っぽくない」と言われます。
友人と言っていい青年会議所の現役メンバーの中でも,目上である青年会議所のOBの先輩方からも,福井フィロソフィ経営勉強会でも,よく言われます。
そして,依頼者の方からも,よく言われます。
 
「明るい」
「面白い・面白みがある」
「話しやすい・お堅くない・フランク」
「体育会系・パワフル」
などです。
 
このような話を聞くと,これだけ弁護士の数が増えても,とりわけ若い弁護士が増えても,弁護士は「暗い」「真面目で面白みがない」「話しにくい・お堅い・ものものしい」「文化会系・おとなしい」というイメージを持たれているのだなぁと思わされます。費用の点以外でも,弁護士に相談するというハードルはまだまだ高いのだと思わされます。
 
私が良く言われることのうち,「体育会系・パワフル」は,20歳の時に2か月強の間,比叡山延暦寺で山籠もりの修行をしたことと青年会議所に入ったことが影響していると思います。
「話しやすい,お堅くない,フランク」「面白い・面白みがある」は,私の生来のキャラクター,家族がみんな話し好きだったこと,小学校から大学まで多くの友人に恵まれたことなどが影響していると思います。
 
「明るい」も,生来のキャラクターと生い立ちが影響していると思いますが,この「明るい」については,意識して行っている振る舞いでもあります。
 
それは,前職の北川法律事務所で勤務弁護士をしていた時代,顧問先や依頼者の方から,「この事務所は明るくていいね!」「先生は明るくて助かります」と言われたことが何回かあったからです。
 
これは,私にとって,軽い衝撃でした。
 
弁護士事務所に相談や依頼に来られる方は,トラブルを抱え,悩み,困っている方であり,そのような方に,明るく接することは気分を害されるのではないかという気持ちが強かったからです。なので,私は,法律相談では,自分の個性である明るさを出しすぎないよう努めていました(とはいえ,「明るくていいね!」「明るくて助かります」と言われるくらいですから,抑えきれずにかなり出てしまっていたようですが・・・)
 
以来,適度に明るさを出していこうと思うようになりました。自分の個性が仕事にもプラスに働く,それで他者や社会に貢献できるというのはとても幸せなことでもあります。
 
また,それまで,私の弁護士としてのモットーは,「妥協のない完璧な仕事をする」でしたが,それ以来,「法律相談や受任を通じて,早期に安心と希望を与える」ことが加わりました(HPの私の紹介ページのタイトルでもあります。)。仕事の結果がでるのはずいぶん先のことになりますが,安心と希望ならば初回の法律相談という早い段階でも達成できるからです。
 
ただし,「明るい」ことと「楽観的であること」とは違います。(無責任又は能力不足で)甘い見通しを伝えてしまうようではプロではありません。あくまで,法令,裁判例,証拠に基づく事実関係,経験則(社会常識,社会慣行,社会実態を基礎とする事実関係の推論のルール)に基づいたプロとしての判断はお示ししつつ,その伝え方,寄り添い方に明るさを取り入れるようにしています。